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2026.07.13 コラム

行政手続きの基礎知識と用語解説

医療機関の行政手続きを理解するために知っておきたい基本用語

クリニックの開設や運営には、多くの行政手続きが必要となります。
手続きに関わる基本的な用語を理解していないと、手続きの内容を正しく把握できなかったり、提出時期を誤ったりするおそれがあります。


行政手続きは、提出する書類だけでなく「いつ」「何を」「どのような理由で提出するか」が重要です。
もし行政機関との打ち合わせで分からない用語が出てきた場合は、その場で確認することをおすすめします。行政担当者が説明している内容は、その後のスケジュールや手続きに大きく影響する場合があります。

今回は、クリニックの行政手続きでよく使われる基本用語をご紹介します。

 

診療所と病院の違い

「診療所」と「病院」は、法律上明確に区別されています。
一方で、「クリニック」「医院」という名称は一般的な呼び方であり、医療法上の正式な分類ではありません。医療法などの法令では「診療所」という名称が用いられています。

分類の基準は病床(入院用ベッド)の数です。
• 診療所:病床数が19床以下
• 病院:病床数が20床以上
したがって、無床診療所(入院設備がない診療所)も19床の有床診療所も、どちらも「診療所」に分類されます。

 

開設者とは

「開設者」とは、診療所を開設する主体(オーナー)のことです。
開設者には大きく分けて次の2種類があります。
• 医師または歯科医師が個人で開設する場合
• 医療法人などの法人が開設する場合
なお、医療法人など、医師・歯科医師以外の者が開設する場合は、事前に診療所開設許可を受ける必要があります。


開設者と管理者の違い

「開設者」と「管理者」は混同されやすい用語ですが、それぞれ役割が異なります。

開設者
診療所を経営する主体です。

管理者
診療所を管理・運営する責任者であり、一般的には院長先生がこれにあたります。

個人開設の場合は、開設者と管理者が同一人物となることがほとんどです。
一方、医療法人では法人が開設者となり、院長が管理者となるため、別の人物(または法人と個人)になります。


開設日・開院日・保険医療機関指定日の違い

似ている言葉ですが、それぞれ意味が異なります。

開設日
行政上、診療所を開設した日をいいます。
診療所開設届には開設日を記載し、開設日から10日以内に届け出る必要があります。
開設日時点では、届出書類に記載した内容どおりの状態が整っていることが求められます。ただし、この時点で実際に診療を開始している必要はありません。

開院日
患者さんの診療を開始する日です。
「開院日」という言葉は一般的によく使われますが、行政手続きの提出書類には開院日の名称で記載する項目はありません。

保険医療機関指定日
保険診療を行うためには、地方厚生局から保険医療機関の指定を受ける必要があります。
この指定を受ける日が「保険医療機関指定日」です。

一般的なスケジュールとしては、
開設日 → 保険医療機関指定日 → 開院日
となります。


「届出」と「申請」の違い

行政手続きでは、「届出」と「申請」は全く異なる手続きです。

届出
行政機関へ一定の事項を知らせる手続です。
法令で定められた要件を満たしていれば、原則として行政庁の許可や承認を待つことなく効力が生じます。
開設届や変更届など、事後に提出する手続に多く見られます。

申請
行政機関に対して許認可などを求める手続です。
行政庁が内容を審査し、許可・不許可などの判断が行われます。
そのため、多くの申請は事前に提出し、審査を受ける必要があります。

 

まとめ

行政手続きでは、一つひとつの用語に法律上の意味があります。
言葉の違いを正しく理解しておくことで、行政機関との打ち合わせが円滑になり、提出書類やスケジュール管理をしやすくなります。
当事務所では、診療所の開設手続きや医療法人に関する行政手続きを専門にサポートしています。
「どの手続きが必要か分からない」「行政から説明を受けたが内容が難しい」といった場合も、お気軽にご相談ください。

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